開催要項
名称 | 第19回技術講演会 |
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開催日時 |
7/6(水)9:50-17:20 受付9:00~ 7/7(木)9:30-16:40 受付9:00~ |
主催 | 新製剤技術とエンジニアリングを考える会 |
会場 |
グランキューブ大阪(大阪府立国際会議場)10F会議室 〒530-0005 大阪府大阪市北区中之島5丁目3-51 https://www.gco.co.jp/ |
協賛 |
(公社)日本薬学会 (公社)日本薬剤学会 (一社)日本粉体工業技術協会 (一社)粉体工学会 日本DDS学会 (一社)製剤機械技術学会 ISPE日本本部 (一社)日本PDA製薬学会 |
プログラム
2022年7月6日(水)
09:50~10:00
開会の挨拶
新製剤技術とエンジニアリングを考える会 会長
竹内 洋文
(岐阜薬科大学 名誉教授、特命教授、先進製薬プロセス工学研究室 特任教授)
10:00~10:50
『クラウドベースの薬事規制評価:
ICH M4Q(R2) と FDA KASAイニシアティブ』
<座長> 竹内 洋文(岐阜薬科大学)
Larisa Wu
(Associate Director for Science and Communications, Office of New Drug Products, FDA)
このプレゼンテーションでは次をテーマに話す。
- クラウドコンピューティング環境下での今後の薬事に関する規制評価および申請
- 品質情報提出の最新化とICH M4Q(R2)の開発におけるICHの試み
- 知識支援型評価および構造化したアプリケーション(KASA)イニシアティブを含むFDAのデジタル化への取り組み
【ご略歴】
Dr. Larisa Wuは、米国FDA新薬剤室 (Office of New Drug Products:ONDP)の科学・コミュニケーション担当のアソシエイトディレクターである。2011年にFDAに入局し、化学審査官としてキャリアをスタートさせた。長年にわたり、チームベースの統合品質評価(Integrated Quality Assessment:IQA)、リスクベース審査、ANDAバックログ審査・管理などを含み、Office of Pharmaceutical Quality(OPQ)の立ち上げに不可欠となったさまざまなイニシアティブに大きく貢献している。 2015年にOPQが立ち上がった後、同氏は直属の特別補佐官として、知識支援型評価・構造化したアプリケーション(Knowledge-aided Assessment and Structured Application:KASA)、ヒト用医薬品の検査に関する運用概念(ConOps)、プロセスおよび施設の統合、OPQ二次評価、BARDA-FDA医薬品不足プログラムなどのいくつかのFDA、CDER、OPQのイニシアティブに幅広く取り組んだ。 最近では、NDAs イニシアティブのためのFDA KASA を主導し、ICH M4Q(R2) Expert Working Group の Rapporteur SupporterとContent Manager を務めている。
同氏はユタ大学でバイオエンジニアリングの博士号を取得後、メリーランド大学薬学部で薬学博士号を取得。 また、化学の修士号と生物医学工学の学士号も取得している。
10:50~11:40
『マイクロニードル製剤の開発現状と最新動向』
<座長> 柳井 薫雄(武田薬品工業株式会社)
権 英淑
(コスメディ製薬株式会社 代表取締役)
本講ではマイクロニードルに関し最近の世界的な研究動向や臨床試験の進捗、FDAのマイクロニードル製品のガイドラインなど最新の情報を紹介したい。また、マイクロニードルの様々な製造方法、性能評価、安全性評価などに関しても解説したい。さらに、溶解型マイクロニードル技術を用いた化粧品開発の経験や医薬品製剤開発に関する様々な課題について述べる。
【ご略歴】
1999年京都薬科大学大学院薬学博士を取得後、京都薬科大学研究員としてDDS研究に従事。海外製薬会社(英国、中国など)、および国内製薬、化粧品会社の技術コンサルタントを経て、2001年取締役会長の神山文男と共にコスメディ製薬株式会社を創立し現在に至る。得意分野は経皮吸収製剤およびマイクロニードルの製剤設計である。2008年世界で初めてマイクロニードル化粧品を開発し上市に至った。
11:40~12:30
Lunch Time (50分)
12:30~13:20
『富士フイルムにおけるリポソーム・脂質ナノ粒子製造の技術開発と展望』
<座長> 柳井 薫雄(武田薬品工業株式会社)
辻畑 茂朝
(富士フイルム株式会社 バイオサイエンス&エンジニアリング研究所
主席研究員)
富士フイルムは様々な製品開発で培ったナノ分散技術や解析技術、プロセス技術を活かしてリポソームおよび脂質ナノ粒子の製剤設計とその製造技術を構築してきた。これらの技術開発の概要、および社会実装にむけたCDMOとしての取組みを紹介する。
【ご略歴】
1996年 京都大学大学院農学研究科修士課程修了
2000年- 富士写真フイルム株式会社(現在の富士フイルム株式会社)入社
記録材料やカラーフィルターの素材開発に従事
2006年- ヘルスケア領域におけるナノ粒子設計やDDS製剤の研究開発に従事
現在に至る
13:20~14:10
『GMP省令改正と薬機法規制の課題』
<座長> 寺田 勝英(高崎健康福祉大学)
佐藤 大作
(厚生労働省 医薬・生活衛生局 監視指導・麻薬対策課 課長)
令和3年8月に改正GMP省令と薬機法の企業の法令遵守(コンプライアンス)体制に関する規定が施行された。折しも、製薬企業のGMPその他の法令違反と自主回収・行政処分が続いてきた。国民からの信頼回復を目指した法令遵守や製造管理・品質管理体制の構築とその課題について解説する。
【ご略歴】
平成4年4月 厚生省入省。
厚生労働省医薬食品局安全対策課安全使用推進室長、同監視指導・麻薬対策課監視指導室長、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)新薬審査第五部長を経て平成26年4月から同機構再生医療製品等審査部長。
平成28年6月から厚生労働省医薬・生活衛生局医薬安全対策課長、平成30年8月からPMDA組織運営マネジメント役。令和3年9月から現職。
東京大学大学院薬学系研究科博士後期課程修了 博士(薬学)
薬剤師
14:10~14:30
Coffee Break(20分)
14:30~14:50
一般財団法人 新製剤技術とエンジニアリング振興基金
「パーティクルデザイン賞」授賞式 および「海外留学研究助成金」目録贈呈式
14:50~15:40
一般財団法人 新製剤技術とエンジニアリング振興基金
第9回パーティクルデザイン賞 受賞講演
『統計的プロセスモデリングによる堅牢な医薬品品質予測手法の開発』
<座長> 寺田 勝英(高崎健康福祉大学)
金 尚弘
(東京農工大学大学院 工学研究院 応用科学部門 准教授)
医薬品連続生産プロセスでは医薬品の品質特性をリアルタイムに監視することが重要である。本研究では、パラメータ調整やモデルメンテナンスなどの問題点に着目して、統計的プロセスモデリングによる堅牢な医薬品品質予測手法を開発し、その有用性を確認した。
【ご略歴】
2014年3月:京都大学工学研究科化学工学専攻 博士課程 修了
2014年4月:京都大学工学研究科化学工学専攻プロセスシステム工学研究室 助教
2021年3月:東京農工大学大学院工学研究院 応用化学部門 准教授
受賞履歴 2012年:2012年度システム制御情報学会奨励賞
2014年:SICE制御部門大会技術賞
2014年:計測自動制御学会技術賞
2016年:SIS部会研究奨励賞(化学工学会 第48回 秋季大会)
2019年:JCEJ Outstanding Paper Award
2021年:堀場雅夫賞特別賞
15:40~16:30
『Society 5.0におけるヘルスケア
- 我々が目指すステークホルダーとの価値共創 -』
<座長> 池松 康之(エーザイ株式会社)
眞鍋 淳
(日本製薬団体連合会 会長(第一三共株式会社 代表取締役社長兼CEO))
Dxを含む科学技術の急速な進歩により、いわゆるSociety 5.0の時代においては、我々を取りまくヘルスケアの環境は大きく革新される。人が生命を授かってから一生を終えるまでのライフジャニーに亘って、個々人に合ったベストなヘルスケアソルーションが提供される時代となる。プラットフォーマーを含め、従来にも増して様々なステークホルダーが関与する中で製薬企業が提供できる価値は何かを議論する。
【ご略歴】
現職 第一三共株式会社代表取締役社長兼CEO社長執行役員
日本製薬団体連合会会長
1978年三共株式会社に入社後30年以上、研究分野に従事。2005年安全性研究所長に就任し、第一製薬と三共の統合後も引き続き安全性研究所長を務める。2009年以降、研究開発本部プロジェクト推進部長、グループ人事兼CSR担当、経営戦略部長を経て、2014年取締役に就任。同年日本カンパニープレジデント兼事業推進本部、2015年国内外営業管掌を務める。2016年代表取締役副社長執行役員総務・人事本部長兼メディカルアフェアーズ本部長。2017年代表取締役社長兼COO 社長執行役員を経て、2019年より現職。主な兼務として、2018年より(公財)第一三共生命科学研究振興財団理事長、2019年より(公財)鈴木万平糖尿病財団理事長。2021年5月より日本製薬団体連合会会長(いずれも現職)。農学博士(東京大学)、医科学修士(筑波大学)、オハイオ州立大学客員研究員修了
16:30~17:20
『噴霧凍結乾燥 - 革新的技術の医薬品製造への導入』
<座長> 池松 康之(エーザイ株式会社)
Bernhard Luy
(CEO, Meridion Technologies GmbH)
噴霧凍結乾燥(SFD)は、革新的な技術として、無菌操作への適用と共に、ラボスケールや商業生産スケールにて製薬産業での工業的な適用が進んでいる。
SFDは、固形製剤プロセスから得られたバルク品の概念を無菌凍結乾燥の分野に応用したものである。この技術により、高い均質性と流動性を有する保管可能なバルク品を得ることができる。このバルク品の特性より、単位投与量または単位投与に必要な量だけを一次包装装置に充填することができる。これにより、サプライチェーンは高い柔軟性を得ることができ、患者中心主義が実現できるようになる。SFDを適用した製品イノベーションは、例として、速やかな再溶解特性を有する高濃度固形製剤への活用、合剤の製造を可能にするなどにより達成される。
【ご略歴】
Dr. Luyは、ドイツのフライブルク大学およびベルリン自由大学で薬学の学位を、そして、スイスのバーゼル大学で製剤工学の博士号を取得した(1991年、Prof. Hans Leuenberger)。
Dr. Luyは、固形製剤分野の技術を提供する世界的なプロバイダー(企業)であるGlatt 社にて、製薬技術、プロセス開発および統括管理者として様々な職務を担当した(1987年~2010年)。
2010年、Dr. LuyはMERIDION Technologies社を設立し、これ以降、噴霧凍結乾燥技術に関連するプロセス・技術開発および装置供給に加え、これらを医薬品業界、診断薬業界およびスペシャルティケミカル業界での適用に注力している。
Dr. Luyは、アジア、中南米、米国、欧州各国などの国外講演に招聘されており、また、固形製剤のプロセス開発や医薬品製剤開発の分野に加え、噴霧凍結乾燥技術の分野において、単独または共同での特許取得または出願をしており、様々な出版物の著者でもある。
2022年7月7日(木)
9:30~10:20
『持効性経口製剤(LAO)の製造における連続生産とPATの実現』
<座長> 宮島 誠(第一三共株式会社)
Patrik Johansson
(Senior Director of Continuous Manufacturing, Manufacturing, Lyndra Therapeutics, Inc)
Lyndra Therapeutics社が開発する持効性経口剤(LAO)は、患者の服用体験を画期的に変え、日々薬を服用する負担から患者を開放し、彼らの生活をよりシンプルなものにしている。この講演では、米国のPAT法に焦点を当て、ピボタル臨床試験用の製法を商業製法に移行する場合の、Lyndra社の連続生産方法について主に話す。また、情報収集にPATを用いて同社が行った最近の研究や、バッチリリースからリアルタイムリリース試験への移行に向けた戦略についても触れる。
【ご略歴】
Patrik Johansson, PhDは、Lyndra Therapeutics社の連続生産担当シニアディレクターおよびサプライチェーン部門のリーダーである。Dr. Johanssonは2020年、Lyndra社の製造チームの一員となり、現在サプライチェーン・商業化準備チームの責任者を務め、その責務において連続製造は大きな焦点となっている。キャリアの大半を、研究開発、プログラムマネジメント、そして財務、消費者、医療機器、コンビネーション製品、バイオテクノロジー関連の業務に費やしてきた。キャリアを開始したのは原料化学業界で、その後ジョンズホプキンス大学で化学の博士号を取得、チャルマース大学で生物物理学の研究員として勤務した。この15年では、コルゲート・パーモリーブ社で装置や埋め込み型センサープログラムの管理、ゴールドマンサックス社で技術・医療機器企業の評価にあたり、消費者機器や医療機器デベロッパーの科学コンサルタントとして勤務した。直近では、美容医療機器やバルキング医療機器、コンビネーション製品に特化するスタートアップ企業であるSilk Medical Aesthetics社のプログラムマネジャーを務めた。その責務においてR&Dプログラム、製造設備の構築、規制当局提出書類の管理を担当した。
Dr. Johanssonはペンシルバニア州立大学では理学士号(化学)、ジョンズホプキンス大学では無機化学および物理化学で博士号を取得した。
10:20~11:10
『バリデーションのライフサイクル全プロセスのデジタル化
ーPharma 4.0に向けて ー』
<座長> 宮島 誠(第一三共株式会社)
Siva Samy
(CEO & Chief Product Strategist, ValGenesis Inc.)
紙ベースのバリデーションは、ヒューマンエラーが発生しやすい。手作業で文書を作成し、承認し、抽出するのは面倒であり、データの整合性を損ない、規制上の脆弱性が生じる。
また、イノベーションを阻害し、市場投入までの時間を遅らせることにもなる。Pharma 4.0 が現実のものとなるにつれ、現在のバリデーション手法を変更し、デジタル化を採用する必要がある。
本講演では、世界のライフサイエンス企業トップ50社のうち30社が、ValGenesis VLMSを通じてバリデーションプログラムを100%デジタル化して管理している方法を紹介する。また、バリデーションプログラムのデジタル化により、どのようにヒューマンエラーを排除し、データの完全性を実現し、バリデーションのサイクルタイムを50%以上短縮しているか、またその他の具体的なメリットについて説明する。
【ご略歴】
デジタルバリデーションライフサイクル管理プログラムは、2005年にSiva Samy博士がカリフォルニアにValGenesis Inc.を設立し、ライフサイエンス業界に導入したものである。
同氏は、ValGenesis社設立以前は、様々なバイオテクノロジー、製薬、医療機器企業において、バリデーションと情報技術の技術職および管理職を歴任した。15以上の研究論文があり、USPTOによる「ソフトウェアアプリケーション、製造システム、ビジネスプロセスのそれぞれのバリデーション状況の確認と維持」に関する特許を保有。
マドラス大学とトロント大学で分析化学の修士号、バイオマテリアルの博士号、ポストドクトルを取得した。マドラス大学およびトロント大学で分析化学の修士号、バイオマテリアルの博士号、ポスドクを取得している。
11:10~12:00
『Lightspeedでの医薬品開発製造: Industry-4.0
~コロナパンデミックを経験して~』
<座長> 福田 誠人(スペラファーマ株式会社)
無敵 幸二
(Pfizer Global Supply Japan, Inc 先端解析技術Gr 先端解析技術Gr部長)
コロナパンデミックを通して、医薬品業界はかつてないスピードで開発/製造が進められている。Industry-4.0やDigital Twin, PAT等の新技術導入の必要性はさることながら、日本と欧米間での労働文化の違いも含め、現状と今後の展望について報告する。
【ご略歴】
1995年東京工業大学理工学研究科制御コース専攻修士課程修了後、三菱化学に入社。科学技術研究センターにて従事。2006年CanadaのMcMaster大学化学工学科 特別名誉教授 John.F.MacGregor教授のもとでPh.Dを取得。2007年から2018年まで、Pfizer World-Wide R&D(コネティカット州Groton研究所)にて、連続生産、Digital Twin、PAT、Soft-Sensor、各種Computer Scienceに従事。2018年から現職。
各種国際学会(AIChE, AAPS, ISPE, IFPAC, PSE等)にて多数の発表/議長経験あり。Peer-Reviewed Journal(査読付国際論文)への投稿論文数は30を超える
12:00~12:50
Lunch Time (50分)
12:50~13:40
『連続生産に関するGMP調査の視点と審査の視点』
<座長> 德永 雄二(元 沢井製薬株式会社)
髙木 和則
(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 医薬品品質管理部 品質管理第二課
課長)
近年、新たな製造技術として、「連続生産」が医薬品業界においても着実に浸透しつつある。
本講演では、PMDAにおける連続生産に関する経験について、GMP調査及び審査の視点より説明したい。
【ご略歴】
2008年、独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)に入社、新薬審査第三部に所属し、主に品質審査・相談業務を担当。
2014年より、同ジェネリック医薬品等審査部に異動し、品質及び生物学的同等性の審査を担当。2020年より、同医薬品品質管理部に異動し、GMP調査等を担当、現在に至る。
その間、ICH Q11副トピックリーダー、Q11Q&Aのトピックリーダーを務める他、PMDAにおける革新的製造技術相談の主管部として担当し、開発段階から商業製造までを視野に連続生産に取組んでいる。
13:40~14:30
『ブロナンセリン経皮吸収型製剤の製剤開発』
<座長> 德永 雄二(元 沢井製薬株式会社)
田中 雅康
(住友ファーマ株式会社 技術研究本部 製剤研究所 製剤研究第3グループ
主席研究員)
我々は、世界初の抗精神病薬のテープ剤として、ブロナンセリンを有効成分とする経皮吸収型製剤を開発し、2019年9月に国内販売を開始した。経皮吸収型製剤を設計する上で、皮膚透過性、皮膚刺激性、粘着性の3つの技術的ハードルがある。我々は、この技術的ハードルを克服し、ロナセン®テープの製剤開発に成功した。
本講演では、ブロナンセリン経皮吸収型製剤の設計における技術的課題に関する検討概要を中心に報告する。
【ご略歴】
1993年 東京理科大学薬学部・大学院修士課程修了。
1993年 大日本製薬株式会社に入社。薬理研究部に配属され、創薬研究に従事。
2005年 大日本製薬と住友製薬が合併して、大日本住友製薬が誕生。
2007年 薬理研究所から製剤研究所に異動。経皮吸収型製剤の製剤開発に従事。
ブロナンセリン経皮吸収型製剤の研究開発に参画。
2022年 商号が大日本住友製薬株式会社から住友ファーマ株式会社に変更。
2022年現在、住友ファーマ株式会社 技術研究本部・製剤研究所・製剤研究第3グループに所属。
14:30~14:50
Coffee Break (20 分)
14:50~15:40
『武田が目指す革新的な医薬品開発における製剤の貢献』
<座長> 米持 悦生(星薬科大学)
丹羽 雅裕
(武田薬品工業株式会社
ドラッグプロダクト&デバイス・デベロップメントジャパン ヘッド)
近年のアンメットメディカルニーズへの創薬研究のシフトに合わせて、製剤研究者に求められる知識や技術を適応させていく必要がある。今回は、製薬企業の製剤設計部門に求められる知識や技術を、当社の事例を元に紹介させて頂きたい。
【ご略歴】
2006年 武田薬品工業株式会社 製薬本部 製剤技術研究所 入社
2016年 同社 ファーマシューティカルサイエンス プロジェクトリーダーシップ&オペレーションズ
2021年 同社 ファーマシューティカルサイエンス メディカルデバイスセンターオブエクセレンスジャパン
2022年 同社 ファーマシューティカルサイエンス ドラッグプロダクト&デバイスデベロップメント ジャパン
15:40~16:30
『持効性注射剤 – 患者の治療の改善手段としての懸濁液』
<座長> 米持 悦生(星薬科大学)
René Holm
(Professor, Department of Physics, Chemistry and Pharmacy, University of Southern Denmark)
持効性注射剤(LAI)は、投与された後、ゆっくり、持続的に放出される医薬品活性成分である。LAI製剤は、薬剤の有効利用や、投薬頻度の低減、治療の遵守促進を確実にするのに役立つ可能性がある。LAIには、繰り返し投薬が必要とされる統合失調症、HIV、結核などの治療の分野において特に関心が寄せられている。
市販されているLAI製剤はそのほとんどが水性懸濁液で、ポリマーおよび界面活性剤を製剤に加えて物理的安定性を制御している。
本講演では、生物医薬品の性能だけでなく物理的安定性にも重要な製剤パラメータに焦点を当て、LAIを紹介する。
【ご略歴】
René Holmは1998年、デンマーク薬科大学(Royal Danish School of Pharmacy)(現コペンハーゲン大学薬学科(the school of pharmacy at University of Copenhagen))において薬学教育を受け、2002年、同大学で生物薬剤学の博士号を取得した。2001年、ルンドベック社に入社し、2016年、ヤンセン社に移籍。薬剤設計とその関連プロセスの開発や、創薬での開発可能性、物理化学、低分子から高分子までを対象とした材料科学の研究に取り組む。2021年現在、Dr. Holmは南デンマーク大学(University of Southern Denmark)薬学部で物理化学の正教授を務めている。
Dr. Holmは生物薬剤学や、プレフォーミュレーション、製剤設計、物理薬剤学の分野において、査読のある雑誌や特許の原著論文を230件以上発表している(共同著作を含む)。デンマークのロスキレ大学(University of Roskilde)の科学・環境学部では物理化学の名誉教授を務める。